消費者のこころを学ぶ授業
ダイヤモンド社から出ている、ハーバード・ビジネススクール教授のヤンミ・ムン氏の「ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業」で紹介されている、自社の「強み」(顧客起点マーケティングでいうところのプロダクトアイデア、とも言えるかも)を考えるヒントをご紹介したいと思います。
ムン先生の唱える、3つのブランドパターン
ムン先生も、この本の段階でもまだまだ研究段階とのことで、全てのブランドを分類できているわけではないですが、有名なブランドを3つのパターンに分類しています。
それが、
リバース・ブランド
ブレークアウェー・ブランド
ホスタイル・ブランド
の3つです。では、それぞれ見てみます。※但し、今回も個人的な解釈ですので、「違うよ」という方はご容赦ください。
リバース・ブランドについて
インターネットがやっと使い物になり始めた1995年くらい(たぶん)、YAHOO!が登場したころです。日本でもソフトバックが出資してYAHOO! JAPANを開始しましたね。ネットサーフィンという言葉が流行ったりしました。
YAHOO!も最初はシンプルな画面(サービス)でしたが、ニュース、メール、オークション、天気予報などいろんなサービスが追加され、批判を恐れず言うならば、ゴチャっとしてきました。
95年くらいからWEB系のお仕事をしていましたので、普通にYAHOO!がデフォルトでしたし、お客様のYAHOO!へのカテゴリ登録のお手伝いもしていました。
しかし、そんな中に登場したのが、Googleでした。
今もそうですが、超シンプルな画面。検索窓しかない!初めてみたときには驚きでした。でも、YAHOO!のゴチャっとした画面には既にお腹いっぱいだったので(当時の社員一同)、すぐにメインの検索サイトになりました。
このように、今までスタンダードだと思わえていたブランドのもつ強み(先程は独自性と書きましたが、利用者に提供する便益とも言えるかもしれないですね)を、一旦チャラにして、余分だと思うものをどんどん捨てていきました。
その上で、利用者が感じていても口にすることは無かった(または考えてもいなかった)便益を提供してきました。思いついたキーワードだけで検索できる、そして速い!。
普段何気なく使っていたYAHOO!で「面倒くさい」「遅い!」と深層心理で持っていたネガティブなイメージを払拭してしまったわけです。その結果が今、ですね。
ムン先生は、
便益の排除が新鮮なものとして受け入れられる。人は多すぎる状態に慣れてしまうと、今度は当たり前のものが無い状態を楽しむのだろう。
と述べています。
このリバース・ブランドの例のように、自社サービスや商品の強みを考える際、競合が強みとしていること(サイトなどの見た目のほか、収益の柱、事業ドメイン、など)を参考に、自社のポジションを考えながら、追いつこうとするのではなく、一旦剥ぎ取って考えてみると、新たな視点が出てくるかもしれませんね。
次回は、「ブレークアウェー・ブランド」について、備忘録を書いていきたいと思います。
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